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大阪地方裁判所 昭和50年(わ)2152号 判決 1976年10月14日

本籍

石川県輪島市河井町弐部一八二番地

住居

茨木市西駅前町一〇番二一〇号

商品取引外務員

角田正一

昭和一四年九月一四日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき当裁判所は検察官藤村輝子出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年および罰金六〇、〇〇〇、〇〇〇円に処する。

右罰金を完納できないときは金一〇〇、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、中井繊維株式会社に商品取引外務員として勤務する傍ら自らも商品取引及び株式取引を行つていたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、

第一、昭和四七年分の所得金額が七九、四九六、〇七〇円で、これに対する所得税額が四四、六四八、二〇〇円であるのに、本名または架空名義で行つた商品取引及び株式取引の利益を除外するなどして、右所得金額中七〇、四〇六、三九七円を秘匿したうえ、昭和四八年三月一四日、大阪府茨木市上中条一丁目九番二一号所在茨木税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得が九、〇八九、六七三円で、これに対する所得税額が二三九、六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により所得税四四、四〇八、六〇〇円を免れ、

第二、昭和四八年分の所得金額が三〇〇、〇九八、〇八一円で、これに対する所得税額が二〇三、一六一、八〇〇円であるのに、前同様本名または架空名義で行つた商品取引の利益を除外するなどして、右所得金額中二七七、六五六、二四四円を秘匿したうえ、昭和四九年三月一五日、前記茨木税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が二二、四四一、八三七円でこれに対する所得税額が一、四〇五、八〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により所得税二〇一、七五六、〇〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

判示第一、第二につき

一、被告人の検察官に対する各供述調書

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四九年一〇月四日付、同一六日付、同年一二月二三日付、昭和五〇年二月一三日付、同年三月六日付各質問てん末書

一、大蔵事務官鈴木滋作成の脱税額説明資料付表および各査察官調査書

一、同事務官他一名作成の各査察官調査書

一、平岡敬蔵他一名作成の各査察官調査書

一、米田耕耘の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、大野昭(昭和四九年一〇月四日)栗田嘉記の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、米田耕耘、井坂修三、有沢勝、山崎建二の各供述書

一、東洋信託銀行大阪支店(昭和四九年一一月一三日付)、中央信託銀行名古屋支店(同日付)、同本店(同五〇年一月二三日付)の大阪国税局宛株式異動状況等についての各回答書

一、米田耕耘、松岡記美男(昭和四九年一二月一一日付)、辻勝行の各確認書

一、押収してあるメモ(五枚)、一綴(昭和五一年押第三五号の四)

一、同商品・株式売買顧客勘定元帳、利益計算書一綴(同号の五)

一、同委託者別先物取引勘定元帳一綴(同号の一〇)

一、同委託者別先物取引勘定元帳、委託者別委託証拠金現在高帳二冊(同号の一五、一六)

一、同手控え一冊(同号の二一)

一、同生糸勘定元帳昭和四七年度一綴(同号の二二)

一、同砂糖、ゴム勘定元帳、右同年度一綴(同号の二四)

一、同信用取引口座設定約諾書(角田正一)一通(同号の二九)

一、顧客勘定元帳一綴(同号の三三)

一、証人大野昭、辻勝行、甚田隆康の当公判廷における各供述

判示第一につき

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四九年九月二四日付質問てん末書

一、大蔵事務官鈴木滋の脱税額計算書(自昭和四七年一月一日至同年一二月三一日)

一、大蔵事務官田村英雄作成の証明書(記録の一番前に添附のもの)

一、松岡紀美男作成の確認書(昭和五〇年一月一〇日付)

一、押収してある委託者別先物取引勘定元帳三綴(昭和五一年押第三五号の六、七、八)

一、同委託者別先物取引勘定元帳、委託者別委託証拠金現在高帳四冊(同号の一一、一二、一三、一七)

一、同大阪化繊勘定元帳昭和四七年度一綴(同号の二三)

一、同顧客勘定元帳黒田扱三綴(同号の三〇)

一、同借用取引顧客勘定元帳黒田扱一綴(同号の三一)

一、同顧客勘定元帳(売買日記帳)一冊(同号の三二)

判示第二につき

一、被告人の大蔵事務官に対する五〇年一月一六日付、同三一日付、同年二月七日付、同一九日付、同年三月六日付各質問てん末書

一、大蔵事務官鈴木滋作成の脱税額計算書(自昭和四八年一月一日至同年一二月三一日)

一、大蔵事務官田村英雄作成の各証明書(前掲以外のもの)

一、大野昭(昭和四九年一二月二六日付)、辻勝行(昭和五〇年一月一七日付)の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、東洋信託銀行の昭和五〇年一月二五日付調査表

一、三井信託銀行(大阪国税局受付昭和四九年一二月一二日付、同昭和五〇年一月一一日付、昭和五〇年一月二二日付)、日本証券代行(同一三日付)、安田信託銀行(同九日付)、東洋信託銀行(昭和四九年一一月二六日付)、中央信託銀行(昭和五〇年一月八日付、昭和四九年一二月一二日付、同一一日付、同三日付)、三菱信託銀行(昭和四九年一二月四日付)、大阪証券代行(昭和四九年一一月一二日付)、京阪電気鉄道(昭和五〇年一月七日付)神戸鋳鉄所、住友信託銀行(昭和四九年一一月六日付、同年一二月二〇日付)作成の各回答書

一、浜禎一、牛島共一、川上巌作成の各確認書

一、押収してある収支日計式簡易帳簿二冊(昭和五一年押第三五号の一)

一、同四八年分所得税確定申告書控一綴(同号の二)

一、同外務員割戻料関係、四八年分領収証、出金伝票一綴(同号の三)

一、同委託者別先物取引勘定元帳一綴(同号の九)

一、同委託者別先物取引勘定元帳、委託者別委託証拠金現在高帳一冊、三綴(同号の一四、一八、一九、二〇)

一、同小豆、手芒勘定元帳一綴(同号の二五)

一、同精糖ゴム勘定元帳一綴(同号の二六)

一、同生糸、化せん勘定元帳一綴(同号の二七)

一、同委託者別先物取引勘定元帳三綴(同号の二八)

一、同47~49商品取引及び証券取引を記載した無題帳簿一綴(同号の三四)

(法令の適用)

被告人の判示各所為は、所得税法二三八条一項にそれぞれ該当するので、各罪につき所定刑中懲役刑と罰金刑とを併科することとし、その罰金額については同条二項により各判示免れた所得税の額に相当する各金額以下とするところ、以上は刑法四五条前段の併合罪であるので、懲役刑については同法四七条本文、一〇条により重い判示第二の罪の刑に法定の加重をし、罰金刑については同法四八条二項により前記各罪所定の罰金額を合算し、その刑期および金額の範囲内で被告人を懲役一年および罰金六〇、〇〇〇、〇〇〇円に処し、労役場留置につき同法一八条を、執行猶予につき同法二五条一項を、訴訟費用につき刑事訴訟法一八一条一項本文を適用する。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 池田良兼)

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